2010-01-01から1年間の記事一覧

百日紅は語る

この夏、ふと気が付いたことがあります。今年は日本列島、西に行っても東に行っても、百日紅(さるすべり)が見事に咲いているのです。 我が家の庭先の木も、九月になってやっと淡いピンクの花を咲かせました。もともとこの木は中国南部の暖かいところの木と…

さんまは気仙沼に限る!

今年で十五年目を迎えた「目黒のさんま祭」を楽しんできました。 山手線目黒駅を降り、改札を出ると駅員さんが案内に立っていました。地域を挙げてのすごいサービスですね。 だらだらとした権之助坂を下って行きますと沢山の幟(のぼり)が並んでいて、赤で…

「わくわく」

この夏休み、京大ポケットセミナー で水山養殖場 を訪れた学生さんたちから感想文が届き始めました。 男子学生顔負けで木を植えていた林学のOさんにとっても、衝撃的な体験だったようです。子どもの頃から外で遊ぶことがなく、虫や魚に触れることは殆どなか…

公開シンポジウム「森里海連環と地球的課題」のご案内

☆ 公開シンポジウム「森里海連環と地球的課題」のご案内 京都大学が中心となって創始する森里海連環学の世界を広くご紹介ながら議論する公開シンポジウムのご案内です。学問の枠を超えた俯瞰的思考と森里海連環という視点で、この世界をご一緒に見つめ直して…

「変声期」

カキじいさんの家に犬がやってきたのは六十年も前のことです。「春になったら仔っこ犬(こっこいぬ)をもらってけっからな」とカキひいじいさんが約束してくれたのです。やってきた仔犬は、両手の中に収まるような、白い小さな雌犬でした。女の子なのにどう…

さんまは目黒にかぎる!「第15回目黒のさんま祭」のご案内

気仙沼産の新鮮なさんまが提供される「第15回目黒のさんま祭」「第34回目黒のSUNまつり」が開催されます! ※お問い合わせ先 : 第34回目黒区民まつり実行委員会事務局 電話 03−5722−9871 日時 : 平成22年9月19日(10:00〜15:3…

二十歳になった「子供たち」

今日(9月11日)はカキじいさんにとって、とても嬉しいことがありました。東京都足立区立第七中学校の卒業生十八人と先生二人が舞根湾を訪ねてくれたのです。七年前、修学旅行で気仙沼を訪れ、水山養殖場で体験学習をしました。気仙沼湾へと注ぐ大川上流の岩…

ハモ釣り

カキじいさんの夏の楽しみは「ハモ」釣りです。三陸では穴子(あなご)のことを「ハモ」や「ハム」と言います。京都で有名な「鱧(はも)」とは別物を指します。この時期の「はむ」はびっちりと脂がのり、三陸の風物詩となっています。 まだ小学校に入る前か…

京大ポケットセミナーにて(後編)

頭で考えていただけでは本質には迫れません。それが自然科学だと思います。 まずは海に親しんでもらおうと、あずさ丸に乗船させ、櫓(ろ)を漕がせることにしました。 京都から取り寄せた柿渋を全身にまとって、お化粧直しをしたばかりの船体は水面の光を受…

京大ポケットセミナーにて(前編)

八月末、今年も京都大学ポケットセミナーの学生諸君が舞根湾にやって来ました。京都大学では少人数の新入生の学生グループに教官が同行してフィールドワークをするシステムがあります。題して「ポケゼミ」。 七年前、京都大学では林学から水産学までを統合し…

Mizuyama Topix

八月の水山は旬まっただ中の帆立貝の出荷で大童(おおわらわ)。 帆立貝は暑さに非常に弱い生き物なので、鮮度を落とさずにお客様へお届けするため、涼しい早朝に水揚し、その直後から出荷作業に入ります。 三陸では毎年概ね、お盆のころから海水温が急激に…

穴蝦蛄(あなじゃこ)

お寿司に蝦蛄(しゃこ)は欠かせませんよね。甘いタレと蝦蛄の旨みが重なって何とも言えない美味しさです。 我が舞根湾にも蝦蛄がいます。と言ってもお寿司のネタになる蝦蛄ではなく、専ら魚釣りの餌となる「穴蝦蛄」(あなじゃこ)です。これで狙う魚は鱸(…

芭蕉布(ばしょうふ)の里

カキじいさんの部屋の窓から、背丈の三倍はありそうな楕円形の緑の葉が風に揺れているのが見えます。「芭蕉」の葉です。今年は暑いので育ちがいいようです。 芭蕉と言ったら沖縄とか奄美大島とかに生える南国の植物ですよね。でも、これが生えているのはカキ…

テレビ番組のお知らせ

牡蠣の森を慕う会代表 畠山重篤 出演番組のお知らせ> 放送日時 : 平成22年9月11日(土)11:00AM番組名 : ボス魂 (ぼすだま)放送局 : ミヤギテレビ (宮城県内放送です)出演 : 竹鼻 純、浮ヶ谷 美穂(ミヤギテレビ)、カキの森を慕う会代…

あずさ丸

カキじいさんの養殖場には何隻かの船があります。仕事に使うのはもちろんエンジンの付いた動力船ですが、そのほかにエンジンの無い昔ながらの「櫓」(ろ)で漕ぐ木造の和船が三隻あります。一、二、三号あずさ丸です。 あずさ、ってどこかで聞いたことがありま…

シジミは森を食べている

全国紙2、東北ブロック紙1、地方紙1、水産業界紙2、そして一日遅れで到着する夕刊1を購読しています。 その中で、カキじいさんのスクラップブックに最も切り抜きが多いのが、日本経済新聞「夕刊」です。数年前、「プロムナード」というエッセイ欄に半年…

海なし県の先生のため息

海なし県、岐阜県岐阜市の中学校の先生がカキじいさんに会いに来られました。 半年も前から約束していたのです。社会の先生でこの十一月に公開研究授業があり、「森は海の恋人」運動をテーマにしたい、というのです。県内外から五百人も集まる公開授業で、教…

どちらの組の、、、

昨夕(十六日)、舞根(もうね)地区最大の夏のイベント、盆踊り大会が開催されました。(右写真は我が家の“お祭りの練習”) 朝八時から自治会実行委員総出で準備です。広場の中央に長い棒を立て、赤白の提灯を八方に立てます。柱の先には大漁旗が翻ります。 こん…

熱っつい雨

早朝からミーンミンミン、ジッージッーというセミの大合唱が続いています。この何年間か、雨の多い夏が続き、三陸はセミの声が静かでした。これで冬が寒ければ、実にメリハリの効いた、いい塩梅の自然になることでしょう。さて、孫たちの「どろぼうかつか」…

ラジオ番組(アーカイブ)のご案内

牡蠣の森を慕う会代表 畠山重篤がゲスト出演いたしました、2010年3月15日 東京FM「The Lifestyle MUSEUM」(ザ・ライフスタイル・ミュージアム)(パーソナリティー;ピーター・バラカン)のアーカイブ(録音)がポッドキャスト(下記参照)にてお聞きいた…

あいびーえむってなーに?

東京から日本IBMエグゼクティブ・プログラム担当という方が二人やって来ました。 カキばあさんは「あいびーえむ」って携帯電話だったっけ?車屋さんだったっけ?などと言っています。 日本IBMは社会貢献活動の一環としていくつかの「有識者会議の場」…

テレビ局で焼き魚

仙台のテレビ局から「ボス魂」というトーク番組に出てくださいと言われていました。 宮城県、あるいは東北を代表する企業の社長さんや組織、団体の代表を親しみを込めて「ボス」と呼び、人生観や仕事への思いを語ってもらうトーク番組だそうです。 牡蠣の森…

どろぼうかつか

我が家に上がる坂の上の土手に山百合が満開です。早朝、何とも言えない香りがあふれます。毎年増えてきて、今では二十株近くになりました。毎年、七月二十日頃から咲きはじめますが、今年は夏が遅く低温が続きましたので奇形の花も見られます。あのまま低温…

賢治と医学

七月末、カキじいさんは第二十九回歯科医学教育学会学術大会で特別講演のため盛岡に居りました。どうしてそんなところへカキじいさんが、、、、とお思いでしょうか。いろいろ歴史があるのです。 グスコーブドリの伝記と出会った五十年前、家のすぐ近くに東北…

奥の細道「オイスターロード」説

猛暑にはウナギが定番ですが、実は「牡蠣」こそが本命であることをご存知でしょうか。 六年前、前出(2010/7/7 「井上ひさしさんの思い出」)の日経新聞編集委員 土田氏から、平成の芭蕉となって奥の細道全ルートを百四十二日かけて忠実に歩く、という連絡が…

「下ノ海ニ居リマス」

一昨年、カキじいさんは西オーストラリアの世界遺産、シャーク湾を訪れていました。 「鉄が地球温暖化を防ぐ」(文藝春秋)という本を書くため、どうしてもこの目で確かめたいところがあったのです。 温暖化の問題を考察するには、地球の歴史を遡って考える…

「グスコーブドリの伝記」

カキじいさんの好きな宮沢賢治作品は「グスコーブドリの伝記」です。 もう五十年も昔、高校生のころ読んで深い印象を刻み込まれました。 粗筋です。冷害に苦しむ農民を救うため、カルボナード火山島を爆発させることになりました。でも、そのためには誰か島…

MizuyamaTopix

「干しガキ」 垂下(すいか)式養殖※の牡蠣や帆立には、種々多様、たくさんの生き物が住み着きます。多様な生物が付くということは、そこが生き物たちにとってとても心地よい豊かで清浄な環境だということの証。海中では、食べ物となるプランクトンの熾烈な…

森は海の、、、、、

「森は海の恋人」と捩った名言(迷言?)と時々出会うことがあります。 まず、「森は海の“変人”」。石坂洋二郎の小説「青い山脈」の“変しい変しい新子さま”からの応用かと青春時代を思い出しニヤリとしましたが、そこは小学生からの手紙、凡ミスでした。今の…

盛岡 下橋中学校

夏を迎えるとカキじいさんは本業以外のことで忙しくなります。体験学習のシーズンだからです。 海をきれいにするには、その海に注ぐ川をきれいにしなければなりません。でも川の流域には人間の生活が横たわっています。川の流域に暮らす人々の心に木を植える…