子ども

舞根湾の「唄い込み」が戻ってきました。

津波の前、毎年1月15日のどんと祭の夜には舞根の湾に子供たちの歌い上げる「大漁唄い込み」が響き渡っていました。大漁と漁の無事、家内安全を祈って、昔からこの舞根湾に受け継がれてきた正月の行事「唄い上げ」、この地区では「ヘイヨーエー」とも呼ん…

『カキじいさんのブルターニュ紀行  (サンマロ水産高校での熱血講義編)』

2012年10月3日 農業大国フランスにも各沿岸地域に水産業を学ぶ学校があります。今回お招きいただいたのはブルターニュ北部のサンマロにある水産高校の養殖科カンカル分校。カキの養殖が盛んなカンカルのカキ養殖・加工団地の一角に位置する水産業の実習施設…

『カキじいさんのブルターニュ紀行  (カンカルの子供達編)』

2012年10月2日 カキやムール貝の養殖が盛んで、近隣にはモン・サン・ミシェルなどの世界遺産を擁するブルターニュ北部のカンカレ、サンマロ周辺の街を訪れました。津波により被災し、現在も水産に関わる学業に苦難を抱える向洋高校(旧気仙沼水産高校)。カキ…

2012/05/26

何と麗らかな運動会。舞根の皆の避難所だった唐桑小学校で、五月晴れの下、おんちゃん、おばちゃんたちの歓声が響きます。「プールの水があったがら、本当に助かったのっさ。」「暖房炊いでけで、ばあさんだぢにも、ありがだがったなあ。」「運動会でぎで、ほんとによがったあ…

2012/05/25

明日は唐桑小学校の運動会。舞根のおんちゃん、おばちゃんたちも、海仕事が終わった後、仮設に帰る途中に皆でテント張り。地区ごと、浜ごとに別れて一斉に建てるから、よそに負けじと急ぐ急ぐ!「ほれ、石浜さ負げんなよ!中区はまだが?!」「あっつのテン…

2012/05/16

海が終わってから、さあビールでもと思ったら、子供達にオタマジャクシとヤゴ取りにつき合わされて山の池へ。子供たちにとっては津波の後の荒れ地も絶好の遊び場。津波で流れた古い家屋の池は今も残って、生き物の楽園。ヤゴ、オタマジャクシ、カエル、ゲン…

2012/05/05

五月五日のこどもの日。浜に真新しい鯉のぼりを立てました。一昨年までは、代々受け継がれてきた何十匹もの鯉のぼりを海上に綱を張って泳がせていましたが、去年の津波でみんな海へ「戻って」行きました。またここに、この海辺に、たくさんの子供たちの大き…

『カキじいさんとしげぼう』- 英訳にあたって On the English translation of "Grandfather Oyster and Shigebo"

(英語版「Grandfather Oyster and Shigebo」) (日本語版「カキじいさんとしげぼう」)お問合せ: カキの森書房(水山養殖場内) contact: Kaki-no-Mori-BOOKS (Mizuyama oyster Farm) kakinomori@mizuyama-oyster-farm.com (FAX 022-774-1680 / +81-22-…

三陸・関東大震災に寄せて

三月十一日午後二時四十六分。三陸沖を震源とする大地震があり、大津波警報が発令されました。地震の大きさから三十年以内に九割の確率で起こると言われていた三陸沖津波か、と覚悟を決めました。私の経験の中で最大の津波は、五十年前のチリ地震津波です。…

孫の言い分

カキじいさんは年末から風邪気味だったので、寒い所にいるタラバガニの「カーニー」と面会できずにいました。 今朝、餌をやる小学三年生の孫の紘一に引率されて、初面会です。カーニーは「個室」にいました。いわば「冷暖房完備のホテル生活」のようなもので…

漁師の絵心

今年も押し迫り、慌てて年賀状を書いている人も多いことでしょう。ほとんど印刷されたものが多いのですが、嬉しいのはやっぱり手書きの絵の入ったものですね。カキじいさんは子どもの頃から絵が全く下手で、上手な人にずっと憧れを持っていました。ところが…

子供たちの牡蠣

今朝、カキじいさんの母校、唐桑小学校の六年生が大きく育てた牡蠣を四百二十個、船で運んできました。さすがは我が母校、牡蠣の養殖筏(いかだ)を持っているのです。漁業協同組合の青年部の諸君がお世話をして、体験学習のための筏を設置してくれたのです。…

教室に翻った大漁旗

八月十八日に「海なし県の先生のため息」というタイトルで記しました。岐阜市立陽南中学校の社会科の先生が舞根(もうね)湾に取材に来られたお話です。今春、「海なし県」岐阜で初めて「豊かな海づくり大会」が開催されたこともあり、公開研究授業のテーマ…

「あとがき」より

[:H200:W250:right]子供たちに向けて書かれた森、川、海、そして人のつながりの解説絵本「漁師さんの森づくり」(講談社)の後書きより、今回は抜粋してお届けします。子どもにも読める簡易な文章で綴っています。名古屋でのCOP10が閉会し、子供たちと…

二学期は森の学習(2/2)

聞き入る子供たちに、カキじいさんは橅(ブナ)の木の話を続けます。 「ブナって漢字では「橅」(木へんに無)と書くんだ。 『役立たずの木』っていう意味だよ。」 「エーーー!なんでー?!」 「ブナを伐って薪(まき)にするために割ろうとすると、これがとって…

二学期は森の学習(1/2)

九月末、町内の小学校五年生の「ふるさと学習会」で、子供たちに話をして下さい、と頼まれました。 一学期には水山養殖場で海の学習をしたので、二学期は室根山から海を見ながら、森川海の関わりにつて学びたいというのです。 室根山は気仙沼地方では一番高…

「わくわく」

この夏休み、京大ポケットセミナー で水山養殖場 を訪れた学生さんたちから感想文が届き始めました。 男子学生顔負けで木を植えていた林学のOさんにとっても、衝撃的な体験だったようです。子どもの頃から外で遊ぶことがなく、虫や魚に触れることは殆どなか…

二十歳になった「子供たち」

今日(9月11日)はカキじいさんにとって、とても嬉しいことがありました。東京都足立区立第七中学校の卒業生十八人と先生二人が舞根湾を訪ねてくれたのです。七年前、修学旅行で気仙沼を訪れ、水山養殖場で体験学習をしました。気仙沼湾へと注ぐ大川上流の岩…

ハモ釣り

カキじいさんの夏の楽しみは「ハモ」釣りです。三陸では穴子(あなご)のことを「ハモ」や「ハム」と言います。京都で有名な「鱧(はも)」とは別物を指します。この時期の「はむ」はびっちりと脂がのり、三陸の風物詩となっています。 まだ小学校に入る前か…

穴蝦蛄(あなじゃこ)

お寿司に蝦蛄(しゃこ)は欠かせませんよね。甘いタレと蝦蛄の旨みが重なって何とも言えない美味しさです。 我が舞根湾にも蝦蛄がいます。と言ってもお寿司のネタになる蝦蛄ではなく、専ら魚釣りの餌となる「穴蝦蛄」(あなじゃこ)です。これで狙う魚は鱸(…

海なし県の先生のため息

海なし県、岐阜県岐阜市の中学校の先生がカキじいさんに会いに来られました。 半年も前から約束していたのです。社会の先生でこの十一月に公開研究授業があり、「森は海の恋人」運動をテーマにしたい、というのです。県内外から五百人も集まる公開授業で、教…

熱っつい雨

早朝からミーンミンミン、ジッージッーというセミの大合唱が続いています。この何年間か、雨の多い夏が続き、三陸はセミの声が静かでした。これで冬が寒ければ、実にメリハリの効いた、いい塩梅の自然になることでしょう。さて、孫たちの「どろぼうかつか」…

どろぼうかつか

我が家に上がる坂の上の土手に山百合が満開です。早朝、何とも言えない香りがあふれます。毎年増えてきて、今では二十株近くになりました。毎年、七月二十日頃から咲きはじめますが、今年は夏が遅く低温が続きましたので奇形の花も見られます。あのまま低温…

盛岡 下橋中学校

夏を迎えるとカキじいさんは本業以外のことで忙しくなります。体験学習のシーズンだからです。 海をきれいにするには、その海に注ぐ川をきれいにしなければなりません。でも川の流域には人間の生活が横たわっています。川の流域に暮らす人々の心に木を植える…

七夕の願い

七月七日、七夕の佳き日、幼稚園年長組の孫の祖父母参観日に招かれました。 内孫は四人で上は女の子、下三人は男の子です。愛称「かんちゃん」は上から三番目です。上からも下からも攻められていますから家の中では強く、時々ママに暗い(!?)部屋に閉じ込…

カキじいさんのつぶやき(2)

水山養殖場にはさまざまな人たちがやって来ます。 今日はアメリカの小中高の先生方が16人、フルブライト・ジャパン(日米教育委員会)から通訳他4人、計20人です。気仙沼は環境教育の先進地(ユネスコ・スクールによるESD実践地域)ということで時々…