どちらの組の、、、
昨夕(十六日)、舞根(もうね)地区最大の夏のイベント、盆踊り大会が開催されました。(右写真は我が家の“お祭りの練習”)
朝八時から自治会実行委員総出で準備です。広場の中央に長い棒を立て、赤白の提灯を八方に立てます。柱の先には大漁旗が翻ります。
こんな時、活躍するのは元遠洋漁船員の面々です。大きな漁船に大漁旗を飾るのと同じ要領なのです。ロープワークの腕が冴えています。テントも五張、あっという間に出来上がりました。
会場を盛り上げるため、地区の青年たちがカキ氷、焼きそば、焼き鳥などの模擬店を出店します。
ビール、ジュース類も氷がたっぷり入った大きな木の樽で冷やされています。
炭鉱節、ソーラン節、大漁唄い込みなどの曲が、四方を山に囲まれた舞根湾に響き渡ります。
どこにこんなにたくさん人が住んでいたのかと思うほど、大勢の老若男女が集まってきます。
都会に出ていた人々が、里帰りしていて皆故郷の盆踊り大会を楽しみにしているのですね。
模擬店の端っこのほうに人だかりがして、歓声が上がっています。大人が夢中になっているようなのです。
金魚すくいの模擬店でした。実は昨年から我が家の四人の孫たちの若いパパ(カキパパでしょうか)が、地区の子供たちを喜ばせるために、と始めたのです。
今年は五百匹ほど入れました。ペットショップに相談に行きましたら、「どちらの組の方でしょうか?」と問われたそうです。
「い、いやっ、シ、シロウトです、、、」と、慌てて弁解したそうです。
俺ってそんな顔をしているのかなあ、としきりに鏡を見ていました。
はじめ、お客の入りが悪かったので、“さくら”を使いました。自分の四人の子供たちにどんどんすくわせたのです。
孫たちは大喜びです。でも、すぐにモナカの皮の山です。
歓声を聞いて続々と「お客」が集まってきました。仕入れはいろいろな種類で、一匹、百三十円。金魚すくいは一回百円です。
とにかく大人が陣取って、夢中なのです。
「さあ、子供たちにやらせて下さいよ!」とパパのダミ声が聞こえてきました。商売換えをするのでは、とママが心配になるほど堂に入っていたそうです。
でも、結局百匹以上売れ残りがでました。「昨年の」金魚もたくさんいます。
これで我が家は昨年から、金魚屋敷と化したのでした。
畠山重篤