Essay

書評委員の役得

読売新聞の書評委員になって二年目を迎えました。政治学者、経済学者、社会学者、宇宙物理学者、ユーラシア史家、比較文学者、万葉学者、西洋美術史家、作家、女優、漫画家、ノンフィクション作家、評論家、エッセイスト、などのいろいろな肩書きのなかでも…

「カキセリ」

カキの美味しい食べ方は?と問われれば、迷うことなく「そのまま生でどうぞ!」と答えます。でも、生ガキが苦手な方も多いですよね。そんな時にお奨めするのは、何と言っても「カキの味噌炊き」です。 剥きたてカキのむき身を軽く真水で洗い流し、薄手の鍋に…

畠山重篤<書評>

森は海の恋人 牡蠣の森を慕う会 畠山重篤 <書評>『美しきエビとカニの世界』 杉浦千里画 朝倉彰解説本よみうり堂YOMIURI ONLINE(読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20120702-OYT8T00531.htm 美しきエビとカニの世界 杉浦千里博物画図鑑作者…

畠山重篤<書評>

森は海の恋人 牡蠣の森を慕う会 畠山重篤 <書評>『ハキリアリ』 バート・ヘルドブラー/エドワード・O・ウィルソン著本よみうり堂YOMIURI ONLINE(読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20120611-OYT8T00666.htm?from=twハキリアリ (ポピュラ…

第二十四回「森は海の恋人植樹祭」「水車まつり」開催のご報告

平素、森は海の恋人運動へご理解、ご協力を賜り有難う御座います。去る六月三日、緑したたる室根は矢越山にて第二十四回「森は海の恋人植樹祭」「水車まつり」を無事開催することができました。当日の朝方は、じらすような雲が垂れ込めておりましたが、開会…

畠山重篤 <書評>

森は海の恋人 牡蠣の森を慕う会 畠山重篤 <書評>『第十堰日誌』 姫野雅義著本よみうり堂YOMIURI ONLINE(読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20120528-OYT8T00935.htm?from=tw第十堰日誌作者: 姫野雅義出版社/メーカー: 七つ森書館発売日: 20…

畠山重篤 <書評>

森は海の恋人 牡蠣の森を慕う会 畠山重篤 <書評>『引き算の美学』 黛まどか著本よみうり堂 YOMIURI ONLINE(読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20120514-OYT8T00476.htm?from=tw引き算の美学 もの言わぬ国の文化力作者: 黛 まどか出版社/メ…

畠山重篤 <書評>

森は海の恋人 牡蠣の森を慕う会 畠山重篤 <書評>『シダの扉 めくるめく葉めくりの世界』 盛口満著 本よみうり堂 YOMIURI ONLINE(読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20120409-OYT8T00252.htmシダの扉―めくるめく葉めくりの世界作者: 盛口満…

国連大学シンポジウム『Rio+20を契機としたより良いパートナーシップの構築を目指して』

国連大学シンポジウム『Rio+20を契機としたより良いパートナーシップの構築を目指して』にて復興オーナーズ&サポーターズの活動をご紹介頂きます。リオから20年を経て−グリーン経済とパートナーシップのこれから−松下和夫 京都大学大学院 教授http://isp.un…

「カノン」

小学校の頃、音楽が大好きな兄の影響で初めて聞いた「パッペルベル カノン」。George Winstonの「December」というアルバムに入っていたピアノの演奏です。何故かしら、最近、不思議にふと思い出しました。それは、三月の雪の降る凍える夕時でした。暦を見れ…

畠山重篤 <書評>

森は海の恋人 牡蠣の森を慕う会 畠山重篤 <書評>『牡蠣と紐育』 マーク・カーランスキー著 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20120305-OYT8T00479.htm?from=tw牡蛎と紐育(ニューヨーク)作者: マークカー…

『カキじいさんとしげぼう』- 英訳にあたって On the English translation of "Grandfather Oyster and Shigebo"

(英語版「Grandfather Oyster and Shigebo」) (日本語版「カキじいさんとしげぼう」)お問合せ: カキの森書房(水山養殖場内) contact: Kaki-no-Mori-BOOKS (Mizuyama oyster Farm) kakinomori@mizuyama-oyster-farm.com (FAX 022-774-1680 / +81-22-…

畠山重篤 <書評>

カキじいさんと「ふくろう」?野山をめぐる幼少の頃の記憶、そして今、孫たちが思う「ふくろう」。畠山重篤 2012/1/30 読売新聞<書評> 『フクロウ』 デズモンド・モリス著 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/book/revi…

畠山重篤 <書評>

故郷の言葉で読み解く「救い」。 畠山重篤 2012/1/10読売新聞<書評> 『イエスの言葉 ケセン語訳』 山浦玄嗣著 : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)イエスの言葉 ケセン語訳 (文春新書)作者: 山浦 玄嗣出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/12/1…

牡蠣と森がつなぐ絆 〜ルイ・ヴィトン様からのご支援について〜

この度、LVJグループ株式会社ルイ・ヴィトン ジャパン カンパニー様より、東日本大震災による巨大津波被害に対し、復興支援をして頂くことになりました。 Mori_wa_Umi_no_Koibito-Press_ReleaseJP.pdf ルイ・ヴィトン ホームページ 壊滅的な被害を受けた牡蠣…

森は海の恋人植樹祭に寄せて

六月五日、第二十三回森は海の恋人植樹祭を開催することができました。天候にも恵まれて、全国から千二百人もの人々が集いました。 三月十一日の大津波により、立ち上がれそうにない大きな被害を受けた海の民は、今年の植樹祭をあきらめていました。でも、こ…

カキじいさんより皆様へ御礼を申し上げます。

三月十一日の大津波から三十七日が過ぎました。まだ余震が続いており、不安な毎日です。瓦礫の山を前にして途方に暮れていましてが、ボランティアの方々が駆けつけてくれて、だいぶ養殖場や地区の瓦礫の撤去作業も進んできました。全国からお見舞いや励まし…

「森は海の恋人 緊急支援の会」のご紹介とご支援のお願い

東日本大震災「森は海の恋人運動」継続へのご支援のお願い 平素より漁民による森づくり・人づくり活動『森は海の恋人運動』へご理解、ご賛同、並びにご支援を賜り、心より厚く御礼を申し上げます。去る3月11日、東日本大震災による大地震と巨大津波により、…

三陸・関東大震災に寄せて

三月十一日午後二時四十六分。三陸沖を震源とする大地震があり、大津波警報が発令されました。地震の大きさから三十年以内に九割の確率で起こると言われていた三陸沖津波か、と覚悟を決めました。私の経験の中で最大の津波は、五十年前のチリ地震津波です。…

「森・川・海 つながるいのち」

一月末、カキじいさんの新しい本が出版されました。「森・川・海 つながるいのち」(童心社)です。『守ってのこそう!いのちつながる日本の自然』シリーズ全六冊の殿(しんがり)を受け持った本です。小学校5、6年生からを対象にしているようですが、実際…

チリ地震津波から一年

早いもので、昨年のチリ地震津波から今日で丸一年が過ぎました。今朝の地元紙、河北新報の一面には養殖筏(いかだ)が整然と並んだ牡蠣養殖場の写真が掲載されていました。 海の凄いところは、どんなにひどい自然災害を被っても、施設を復旧させれば海の生物…

スプリング・ブルーム

ブルームはまだか、、、。二月も中旬を過ぎると、水産の研究者からそんな声が聞こえてきます。「スプリング・ブルーム」とは春先、植物が一斉に芽を出し、花が咲き揃うことですが、実は北の海では陸よりも一足先に春が来るのです。 冬になると、水温がどんど…

一朶(いちだ)の雲

年が明け、今年もカキじいさんの放浪の旅が始まりました。まずは四国の松山からです。 NHKテレビの連続ドラマ「坂の上の雲」の主人公、秋山好古、真之兄弟、正岡子規の故郷です。もともと夏目漱石の「坊ちゃん」の舞台としてメジャーな観光地ですが、司馬…

「ノンちゃん」 (後編)

【前編より続く】 文部省で、若いキャリア官僚の面接を受けていた時のこと。「体にも、脳にも、目にも障害をもった子供たちを教育することに、どれほどの意味があるのか?」そういう内容の質問を受けたのです。ノンチャンは唖然としました。一般的な話として…

「ノンちゃん」 (前編)

今日は、孫たちのためにタラバガニの「カーニー」を送ってくれた「ノンちゃん」について紹介しましょう。 カキじいさんは男三人兄弟で、ノンちゃんはその末っ子です。この辺ではおじさんのことをよく「おんちゃん」と呼びますが、カキパパが小さい頃、大好き…

孫の言い分

カキじいさんは年末から風邪気味だったので、寒い所にいるタラバガニの「カーニー」と面会できずにいました。 今朝、餌をやる小学三年生の孫の紘一に引率されて、初面会です。カーニーは「個室」にいました。いわば「冷暖房完備のホテル生活」のようなもので…

カキじいさんのお正月

新年、おめでとうございます。天気予報では、年明けは三陸沿岸も大雪だというので、雪掻きの準備して覚悟していました。孫たちは大きな雪だるまとかまくらを作ってもらえると、心待ちにしていたのです。ところが、山陰地方を中心とする西日本に雪は片寄り、…

漁師の絵心

今年も押し迫り、慌てて年賀状を書いている人も多いことでしょう。ほとんど印刷されたものが多いのですが、嬉しいのはやっぱり手書きの絵の入ったものですね。カキじいさんは子どもの頃から絵が全く下手で、上手な人にずっと憧れを持っていました。ところが…

クリスマスのできごと

今年もあっという間にクリスマスの朝を迎えてしまいました。 カキやホタテの養殖漁業にとって、一年で最も注文が多い時期です。カキパパやカキママは朝早くから夕方も遅くまで働いています。今年初めの一月末にはチリ地震津波があり、養殖施設に大きな被害も…

リースと海鞘(ほや)と山ぶどう

気がつくと来週はもうクリスマスですね。四人の孫たちがクリスマス・リースをつくる蔓(ツル)をとりに行きたいと言い出したので、付き合いました。リアス式海岸は森と海が直近にくっついていますから、リースの材料はいくらでもあります。 まず、目につくの…