チリ地震津波から一年
早いもので、昨年のチリ地震津波から今日で丸一年が過ぎました。
今朝の地元紙、河北新報の一面には養殖筏(いかだ)が整然と並んだ牡蠣養殖場の写真が掲載されていました。
海の凄いところは、どんなにひどい自然災害を被っても、施設を復旧させれば海の生物はすぐ育ってくれることです。
もちろん復旧には大きな出費が伴うのでとても大変ですが、しかし、海にはそれをしっかりと支えてくれる、大きな安心感があのです。
この一月末には、気仙沼湾でもすごいスプリング・ブルーム(珪藻類、植物プランクトンの大発生)が起きていました。
プランクトンネットを引っ張ってみたら、抹茶色のキートセロス(珪藻類。貝類の一番良い餌)でいっぱいです。(右写真)
牡蠣も帆立もたちまち大きくなり、フロートをどんどん追加しないと筏が沈んでしまいそうです。
昨年は、全国の皆さんからお励まし、お見舞いをいただきましたが、お陰様で復旧も完了しました。
今年の春先、ブルーム・シーズンの牡蠣、帆立は、例年にも増して、なお格別の味です。
この春、養殖作業のための新しい船を造ることにしました。
今、使っている水山丸は建造後二十年になり、カキじいさんと一緒で(笑)、あちこち故障が多くなってきました。
漁師にとって、新造船を計画することは、二十年先を見通すことです。
四代目を継ぐ孫も、今年九歳ですから、十年先はこの新しい船に、カキパパと一緒に乗ることになることでしょう。
カキパパの考えでは、先日走り始めた新しい東北新幹線「はやぶさ」のようなスマートな船体にするようです。
山には満作の花も咲き始め、リアスの浜はにわかに活気づいています。