子供たちの牡蠣
今朝、カキじいさんの母校、唐桑小学校の六年生が大きく育てた牡蠣を四百二十個、船で運んできました。
さすがは我が母校、牡蠣の養殖筏(いかだ)を持っているのです。
漁業協同組合の青年部の諸君がお世話をして、体験学習のための筏を設置してくれたのです。
リアス式海岸では急に海が深くなりますので、子供たちの筏は学校のある宿浦海岸に浮かんでいます。なんと岸から浮桟橋を歩いて渡れるように工夫されているのです。
二年前に北上川河口の万石浦(まんごくうら)から仕入れた種苗(ホタテの貝殻に付いた牡蠣の赤ちゃん)を縄に挟み、ぶら下げました。餌も肥料もやらないのに牡蠣は大きく育ちます。
今朝、六年生がそれを引き揚げ、一個一個バラバラにして、大中小と選別し、出荷するという体験学習です。
漁業協同組合を通して水山養殖場が買い付けました。売上金は通帳に振り込まれます。
生き物の勉強だけでなく、実際の漁民の仕事の大変さと楽しさ、いかにお金を稼ぐのが大変かを知ってその大切さを知る、とても貴重な体験です。
ずっとお世話をしているのは青年部長の畠山政則君で、カキじいさんの水産高校の後輩でもあります。この地方を代表する牡蠣養殖漁民です。
子供たちが育てた牡蠣は、水山養殖場で一度、ネットに入れてしばらく筏に下げ、養生させてから出荷します。約一か月ほどで欠けている周りの貝の傷が治り、より身も太ります。
我が家の孫娘も五年生で、来年はこの体験に参加することでしょう。
カキひいじいさんが創業した水山養殖場は来年で六十三年目を迎えます。孫が育てた牡蠣も、そのまた孫が育てた牡蠣も、子供たちと一緒にこのリアスの海で、大きく大きく育ってゆきますように。