自然環境

鉄と宇宙と牡蠣

この夏、ある会で、宇宙から奇跡の生還を果たした「はやぶさ」のプロジェクトマネージャー川口淳一郎先生と同席する機会を得ました。 三陸の牡蠣漁師の私と、時代の最先端を行く宇宙工科学研究者が講師として招かれるとは、まったく前代未聞の事と思われたよ…

小田原と鰤

十月二十日から二週間、大学での講義やシンポジウムの出席などで、関東、九州、北陸を駆け巡っていました。 まず始めは、小田原でローカルサミットというイベントです。三年前から始まったもので、様々な経験、体験を持つたくさんの“変人”達(失礼、、、)が…

カキじいさん、涙する

今日はカキじいさんにとって、とても嬉しいことがありました。十月十一日の夜九時からNHKテレビで放送された「NHKスペシャル 日本列島 奇跡の大自然 第2集 海 豊かな命の物語」 に登場した研究者から、手紙が届いたのです。北海道大学低温科学研究所 …

「鉄は地球を救うか?」

前回、三陸沖が世界三大漁場であることのメカニズムをご紹介しました。 ところが、丁度それを書いている夜に、NHKTVで「日本列島 奇跡の海 新発見 知床流氷の謎」が放映されたのです。なんたるタイミング! 九時からのゴールデンタイムでしたのでご覧にな…

秋の味覚と「鉄」のおはなし

秋が深まって来て、気仙沼魚市場はサンマ、カツオ、サバ、メカジキなどの水揚げで活気づいています。十月八日の一日間だけで、サンマ650トン、カツオ220トン、サバ170トン、メカジキ460匹、メバチマグロ30匹が水揚げされました。漁場は三陸沖…

科学者と詩人

二年前の平成二十年、「森は海の恋人 植樹祭」がニ十周年を迎えました。記念の小冊子を作ったのですが、安田喜憲先生(「米と魚の文明」ご参照 )がメッセージを寄せて下さいました。全文をご紹介したいと思います。 「科学者には詩人の心が必要である。科学…

米と魚の文明

国際日本文化研究センター教授、安田喜憲先生との出会い、そして先生の研究について、もう少し紹介したいと思います。 湖底の泥をボーリングすると、年縞(ねんこう)が形成されていることは前回書きました。 年縞には、花粉のほかに火山灰、洪水時の土砂、…

百日紅は語る

この夏、ふと気が付いたことがあります。今年は日本列島、西に行っても東に行っても、百日紅(さるすべり)が見事に咲いているのです。 我が家の庭先の木も、九月になってやっと淡いピンクの花を咲かせました。もともとこの木は中国南部の暖かいところの木と…

京大ポケットセミナーにて(後編)

頭で考えていただけでは本質には迫れません。それが自然科学だと思います。 まずは海に親しんでもらおうと、あずさ丸に乗船させ、櫓(ろ)を漕がせることにしました。 京都から取り寄せた柿渋を全身にまとって、お化粧直しをしたばかりの船体は水面の光を受…

京大ポケットセミナーにて(前編)

八月末、今年も京都大学ポケットセミナーの学生諸君が舞根湾にやって来ました。京都大学では少人数の新入生の学生グループに教官が同行してフィールドワークをするシステムがあります。題して「ポケゼミ」。 七年前、京都大学では林学から水産学までを統合し…

シジミは森を食べている

全国紙2、東北ブロック紙1、地方紙1、水産業界紙2、そして一日遅れで到着する夕刊1を購読しています。 その中で、カキじいさんのスクラップブックに最も切り抜きが多いのが、日本経済新聞「夕刊」です。数年前、「プロムナード」というエッセイ欄に半年…

あいびーえむってなーに?

東京から日本IBMエグゼクティブ・プログラム担当という方が二人やって来ました。 カキばあさんは「あいびーえむ」って携帯電話だったっけ?車屋さんだったっけ?などと言っています。 日本IBMは社会貢献活動の一環としていくつかの「有識者会議の場」…

「下ノ海ニ居リマス」

一昨年、カキじいさんは西オーストラリアの世界遺産、シャーク湾を訪れていました。 「鉄が地球温暖化を防ぐ」(文藝春秋)という本を書くため、どうしてもこの目で確かめたいところがあったのです。 温暖化の問題を考察するには、地球の歴史を遡って考える…

「グスコーブドリの伝記」

カキじいさんの好きな宮沢賢治作品は「グスコーブドリの伝記」です。 もう五十年も昔、高校生のころ読んで深い印象を刻み込まれました。 粗筋です。冷害に苦しむ農民を救うため、カルボナード火山島を爆発させることになりました。でも、そのためには誰か島…

七夕の願い

七月七日、七夕の佳き日、幼稚園年長組の孫の祖父母参観日に招かれました。 内孫は四人で上は女の子、下三人は男の子です。愛称「かんちゃん」は上から三番目です。上からも下からも攻められていますから家の中では強く、時々ママに暗い(!?)部屋に閉じ込…