「スペインのガリシアを知るための50章(エリアスタディーズ88)」 のご紹介

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畠山重篤 関連書籍(コラム執筆)のご紹介です。

スペインのガリシアを知るための50章 (エリアスタディーズ88) (エリア・スタディーズ)

スペインのガリシアを知るための50章 (エリアスタディーズ88) (エリア・スタディーズ)


「スペイン」と聞いて皆さんが真っ先に思い浮かべるのは、どのような場所、イメージでしょうか?

溢れんばかりの太陽、情熱のフラメンコ、圧巻の闘牛、ガウディやダリなどの芸術家。

マドリードバルセロナ、アンダルシア、バレンシア、、、。

どちらかといえば南の地方を真っ先に思い浮かぶのでは?


ここで紹介されている「ガリシア地方」は、「スペインの東北地方」とも呼ばれるところ。

近年ではサンチャゴ・デ・コンポステラへの「巡礼の道」で取り上げられることが多くなったものの、まだまだ日本人には知られていない部分の多いエリアです。


スペインの南から飛行機で北上すると、赤茶けた乾燥の大地を過ぎた後に、雨が多く湿潤なガリシアの緑の大地が姿を現します。

鬱蒼としたロブレ(樫や楢など)の森に覆われた豊かな大地は、日本の三陸海岸同様、リアス(潮入り川)を通して「ここで獲れないものはない」とまで言われる豊穣の海を育みます。

ケルト文化圏に属するこのエリアは、独特の文化や歴史・風土を保っており、スペイン南部とは違った趣を味わうことができます。

地形や風土が似ているためか、私達、日本の三陸人にとっては、懐かしさすら感じる、そんな場所です。


カキじいさんはこの本の中でエッセイコラムを担当していますが、その内容のベースとなっているのは、「リアスの海辺から」(畠山重篤著、文藝春秋、1999)の第三〜五章、ガリシア紀行文です。

(右:ガリシア地方の漁業の街ア・コルーニャにて。牡蠣の露店でナイフを借りてブロンをむくカキじいさん。)

第三章 帆立貝を追って

第四章 貝道をゆく

第五章 すべての道はサンチャゴへ


「ホタテじいさん」でもある畠山重篤が「リアス(Rias)」の言葉に導かれて旅した、スペインでの「森は海の恋人」の世界。

「スペインのガリシア地方を知るための50章」と併せてご一読くだされば、郷愁と豊かさに満ちたスペイン、ガリシア地方の魅力を、「森と海」というもう一つの視点からも味わって頂けることでしょう。