2012/07/17

「あがげじんちゃん」(あがげ(屋号)のじいちゃん)が亡くなった。

おらだぢが子どもの頃に船さ乗ってだおんちゃんだぢの最後の人。

小せえ頃は、うぢの茶の間で酒飲みながら酔っぱらって怒ってばっかり、うぢのじいさんが隣で合いの手入れながら“あはははっ!”って、大声で笑ってだっけ。あの頃は「あがげじんちゃんが来てっつぉ!」て聞ぐど、おっかなくてなあ。

歳とってがらも、足上がんなぐなっても、朝は早ぐ海さ来て、船さ危なっかしぐ乗ってだがら、何時がぜってえ落っつぉっ!って思ってだげんとも、これが、落ぢねえんだなあ。

「あがげ」の母さん、通夜で「じいちゃん、やっぱす海がいぢばんだったんだねえ。最後まで船、船ってさあ、、、。」って。

そんな母さんは、父さんど津波がら船ば沖さ逃して、四日後に泣ぎながら帰ってきて来た後は、もう海さは絶対出ねえって。ほんとは舞根で、みんなして海で稼ぎたいんでねえのがなあ。

ああ、なんだが酒っこば飲みたぐなったなあ。明日朝早いげんとも、「あがげじんちゃん」さ献杯すっぺが。

うぢのじいさん、ばあさんどあの世でうまい酒っこば飲まいよお。

んでね、じんちゃん。