Mizuyama Topix (2010,11)

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海に出ると「なれえ風」(ならい風※)の気配。

いよいよ真牡蠣の本格シーズン到来です。

今年はチリ地震津波の被害で年が始まり、また夏は例年に比べて海水温が高い日が続きました。

水温がなかなか下がらないこともあって、真牡蠣の産卵時期が遅れました。そのため、身入りも半月から一ヵ月ほど遅れていたのです。

フランスでは牡蠣の稚貝が七割以上死滅しているといい、また日本でも産地によって高水温での牡蠣の被害が伝えられています。
牡蠣にとっては、まさに『受難と憂鬱の年』。

そんな逆境にも負けずに育った今年の牡蠣はまた格別。いよいよ一般向け出荷の開始です。



※「ならい風」 冬に吹く海沿いの強風(沿岸地域の方言)


牡蠣礼讃 (文春新書)

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