2012/06/08

この舞根湾に計画されていた9.9mの防潮堤の建設が、私たち住民たちが昨日提出した嘆願書を受け入れる形で撤回されることになりました。住民といっても、元の52軒のうち44軒は今はなく、ほとんどが山の上の仮設住宅に居ます。

この小さな私たちの浜は海辺から山の際まで40〜50mほどしかなく、そこにほとんどの住民が暮らしていましたが、山奥を除いて現在は海抜15m以下には家はありません。防潮堤は高さ約10m。海側、山側の裾野を含めると50mの堤になります。

海辺が無くなります。

高台への移転をみんなで決めて、この地区の低地には誰も住まないこと、景観や自然環境を活かした街を再興してゆきたいという私たちの意見を市が組み入れた形ですが、これはまだ特殊な例。

この地区だけではありません。私たちの唐桑半島全体、気仙沼市の海岸全体、宮城県の海岸全体を最大約15mの防潮堤でぐるっと囲む計画で現在も進められています。

命、産業、ライフライン。守るべきものは沢山あります。海辺の工業団地や大きな国道が海岸を走る平野部など、守るべきところは守る。命を守る手段を確保した上で、今の自然と地形、生態系をそのまま活かして新しい街を作ろうとしているところはそれを尊重する。

多様な考え方、街の再興、復興の在り方を認める、そんな国であって欲しいと切に思います。

牡蠣の森を慕う会事務局 畠山耕)