2013/1/31

震災前は広い干潟が広がっていた舞根湾奥も、大地震地盤沈下で1メートルほど深くなり、今は潮が引いても海底が現れることはありません。

二本の舞根川がそそぐこの汽水域は、毎年春に天然のアサリが湧くほどたくさん取れ、多くの潮干狩りの人たちでごった返していました。その舞根干潟が再び見られるのは数百年か、もっと先か。

いまここは海藻の宝庫。たくさんの海の森がゆらゆらと波に揺れて、小魚やエビ、カニたちの住処となっています。

生き物の種類が変わり、また違う環境で豊かさを増す海辺。私たち人間も、今、変わらねば。

「人はこの海辺近くには住まないようにしよう。自分たちの生き方を変えて、またこの湾に戻って来よう。」私達住民がみんなでしたその決断は、決して軽くない。

どうしてもこの海辺に十数mの防潮堤を造るんだとして譲らない人々には、どんなにか重い決断があることだろう。

聞かせてほしい。(畠山耕)